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院長コラム
Doctor's column

高脂肪食は新型コロナウイルス感染を重症化させる

新型コロナウイルス感染において重症化の原因に関する多くの研究論文が発表されています。その中で高脂肪食(High fat diet )が免疫を狂わして重症化を引き起こすという仮説が提唱されています。赤身肉や乳製品などに多い飽和脂肪酸(Saturated fatty acid)が自然免疫を過剰に刺激して慢性的な炎症を引き起こし、獲得免疫を低下させ、更には腸内細菌の変化により腸粘膜の透過性を亢進させることが指摘されており、このような状態に新型コロナウイルスが感染すると肺を中心にサイトカインストームと呼ばれる激しい炎症が起こる場合があるのです。

また細胞膜のコレステロール沈着が過剰の場合はACE2受容体を介して新型コロナウイルスが細胞内へ侵入しやすいという仮説もあります。そのためコレステロールの多い食事はコレステロール負荷となり新型コロナウイルスに感染し易くする危険性があると考えられています。


以上のように飽和脂肪酸やコレステロールの多い食事いわゆる欧米食は新型コロナウイルス感染を促進させたり重症化させる危険性が指摘されているのです。このことは欧米の新型コロナ感染による死亡率が東アジアと比較して桁違いに高い根拠にもなります。


そして多くの論文が肥満、糖尿病、高血圧を重症化リスクとして指摘していますが、これらは高脂肪食が引き起こす病態です。


近年流行の低炭水化物食すなわち糖質制限食は必然的に高脂肪食になることに気づく必要があります。高脂肪食が糖尿病の本質的な原因であり更には糖尿病を増悪させるのです。


また飽和脂肪酸とは逆にn-3系不飽和脂肪酸であるDHAやEPAは抗炎症作用があり魚の摂取はよいことになります。


今こそ米、野菜、豆、魚を主とした伝統的和食である高炭水化物低脂肪食(高複合糖質低飽和脂肪酸低コレステロール食)への回帰が新型コロナの脅威から日本人を救うのではないかと考えています。


こちらのコラムもご覧ください。

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